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2021.10.25

里山×DXの未来TOUR!世羅町スマート農業リポート

「スマート農業の実証実験」に参加した理由

常々、技術を若い人に伝える難しさを感じていました。農業技術の取得にはセンスが大事で、そこそこのレベルまでは2 ~ 3 年で到達しますが、それ以上になると本人の資質が肝心です。そんな気持ちが強かったので最初にこの話を聞いたとき、農業技術の継承に本当に役立つのか半信半疑でした。AI で摘粒や等級判定の職人技をコピーし、それを下支えしてくれるならすごい技術だと思ったのです。作業効率も良くなりますし、労力の確保も楽になるので参加しました。

これが、熟練者並みの「摘粒」
「等級判定」作業の新しいカタチ。

スマートグラスで作業効率アップ

等級は基本的に3 ~ 4 段階あって、粒の色、玉の大きさ、玉の隙間(密着加減)などの項目に対して評価・判定します。それがスマートグラスを装着することで、農業初心者の方でも熟練者と同じ目の判定ができるので摘粒作業が簡単にできるようになります。誰もが均等にできて、アルバイトやパートさんの精度が上がるので期待できる技術です。等級判定だけでなく、粒数の推定や摘粒作業のサポートもしてくれて、作業効率アップに欠かせないアイテムになると思います。

小さくて働き者のドローン

通常のドローンは上空から下を写すのが基本ですが、この機種はカメラで360 度全方向撮影できます。カメラの画像をAI で認識して、障害物があるとその先を避けて進み、理想的なルートで巡回してくれます。ぶどうが垂れ下がっていても棚下から上に向けて撮影することができて、実り具合や葉の様子(付き方・量など)、人の目で確認しづらい場所でも隅々まで逃さず点検してくれます。そのデータを生かせば栽培管理の省力化につながります

これから農業をやってみたい人へ

今年度(令和3 年度)からスタートした実証実験で、まだデータ取得の作業が多いですが、AI 技術にふれるたびに驚きと発見があります。また、プロジェクトチームの方たちのような違う分野の人と出会えてつながりをもてたことも良かったです。周囲の生産者もみんな興味を持って私たちのことを見守ってくれているようです。
この地域の農業にも担い手不足という大きな課題があります。費用対効果を前提に、最初から背伸びはせずに身の丈に合ったスマート農業を取り入れて、里山で生き残れる力強い農業を目指してほしいですね。

「モバイルムーバー(荷物運搬用ロボット)」
重たいものを載せていても軽々運べる。

̶ ひろしまseed box ̶
『ぶどうの大規模経営の実現に向けた効率的な作業体系の構築』

AI 技術での農業支援は、里山を救うきっかけに。
農業者の革新的な一歩をサポートしたい。

(株)エネルギア・コミュニケーションズ 金森 真央

収益向上を目指す実証実験の数々

「ひろしまseed box」のプロジェクトの一つとして、世羅町のサンワファームさんで様々なデータの収集やシステム構築に取り組んでいます。AI によってぶどうの粒数の推定や摘粒支援、等級判定をしたり、収量や品質安定のために圃場の画像を3D 仮想空間に見える化して、生産者ごとの作業のバラつきの解消に役立つ実験などです。また、この農園では鳥獣害被害もかなり多いということで、ドローンを夜間に飛ばして獣の生息域も調査しています。
AI 技術で農業を多面的に支援することが、今の里山の課題解決や農業の可能性を広げるきっかけになればと思っています。


※「ひろしまseed box」…広島県内の農園をフィールドにAI、loT などの最新テクノロジーを活用するひろしま型スマート農業の実証プロジェクトのこと。

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